幸せの定義──君と僕の宝物──
分娩室を出たレナはユウとスタッフに付き添われて病室に戻った。

病室では、ハルがソファーに座りリュウにもたれて、うたた寝をしていた。

「あ…ハルちゃん、疲れちゃったんだな。」

レナはゆっくりとベッドに横になり、あどけないハルの寝顔を見つめた。

「ハルちゃん、病院まで荷物持って付き添ってくれて、ずっと一生懸命私の腰をさすりながら励ましてくれてね…。すごく痛いの我慢してたら、大人だって痛い時は痛いって言っていい、ハルがついてるから、って言ってくれたの。すごく心強かったし、嬉しかった。」

レナの話を聞きながら、リュウは優しい表情でハルの頭を撫でた。

「ハルちゃん、いい子だな。」

「そうだろ?オレにはもったいねぇな…。やっぱ、もっといい男に嫁にもらってもらう方が、ハルには幸せかもな。」

リュウが少し寂しそうにそう言うと、レナは首を横に振った。

「ハルちゃんはリュウさんと一緒にいるのが幸せだって。ハルちゃんも、自分と一緒にいてリュウさんはホントに幸せなのか悩んでた。」

「ハルが…?」

「リュウさんと一緒にいたいから早く大人になりたい、リュウさんに喜んで欲しいから料理上手になりたいって。ハルちゃん、いつも自分の事より一番にリュウさんの事考えてるの。」

「リュウとハルちゃんも、似た者同士で相思相愛なんだな。」

「どうだかな…。」

リュウが愛しそうにハルの寝顔を見つめて、もう一度頭を撫でた時、ハルがゆっくりと目を開いた。


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