BLUE‐PRINCE
「葵くん!」
そう言って僕に笑いかけてくれる君を
僕は、守りたいと思う。
『青い髪を持つ、孤高の王子様』
彼女は、あのとき屋上でそう言ったけれど。
出会っていたその瞬間から、僕は『孤高』なんかじゃなかった。
朱架がいないと生きていけない、『孤高』とはかけ離れたモノだったんだ。
でも、君が僕を『王子』と言うのなら
僕は、王子になってやる。
朱架を守るために。
父さんが、母さんに言っている言葉……
『俺が咲誇を守る。誰にも…お前をわたさねぇ』
この間までは、なんでそんな事を言うんだろうって思っていた。
どんな気持ちで、父さんはそう言うのかわからなかった。
でもなぜか…今なら、痛いほどにわかる。