BLUE‐PRINCE

再会





それから、何年も経って。



奏多は、すくすく成長した。


幼稚園では、何事もなくただ楽しそうに過ごしていた。


そんな奏多も、明日から小学生になる。


入学式を明日に控えたその夜、僕は一人でテレビを見ていた。



「ねぇ……葵くん」



明日の準備をしていた朱架が、突然後ろから話しかけてきた。



「何?」


「奏多…大丈夫かなぁ……」


「……あー…」



朱架の言う『大丈夫』は、入学式の不安ではない。



奏多の、髪の色のこと。



生まれてすぐは気付かなかったけれど、成長していく中で見つけた。


奏多は、髪の毛が若干青い。


僕や父さん程ではないけれど、黒の中では少し目立つ。

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