Bu-KIYOびんぼう ～幼なじみと不器用な約束～

試合

奥のテニスコートで、タっくんが眉を寄せて、こちらを見ている。


見ない、見ない。

見るのは試合だけ！



制服、着て来ればよかったかなぁ？

でも休みなのに変だよね。

せっかく、ユリエちゃんと服も買いに行ったんだし。



試合が始まった。

私は、コートの中にいる矢倉くんを見つめた。




か、か、か、かっこいいっ！！



どこが、カッコイイかっていうと、手足が長くて、だけど細すぎなくて…



ボールが宙に浮かび、鋭く飛んでゆく。


早いっ！


もう周りなんか気にならない。

矢倉くんしか映らない。



爽やかなイメージだったのに、真剣にボールを追う姿は熱い。