Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~
思えば、生まれた時から不器用だった。

「清子」なんて、時代遅れの名前をつけられて。


付けたのは、父方のお祖母ちゃんだ。

お祖母ちゃんは、蒸発したお祖父ちゃんに代わって、

女手一つでお父さんたち五人の子供を育てた。


教育ママで、

キャリアウーマン。



「清子」という名前を聞いたとき、

お母さんはさすがに、

「それは…」

と思ったらしい。


だけど、すでに新居の頭金を出してもらっていたし、

頭の上がらないお父さんはヘラヘラしているだけだし、

何も言えずに引き下がったそうだ。


そこは、頑張ってほしかったな…。
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