魔王スサノオ降臨

Ⅲ、3人の決意


それからしばらく後、翔子の家の近く。
タクシーを降りて、下町の路地を歩く2人。
しかし、人間離れした美しさと、静かに流れるように歩く月読命(ツクヨミ)の姿に、周り全ての人が目を奪われた。
月読命は本当の神ではあるが、まるで神を目前にしたような神々さを感じているようである。

やっぱり月読命(ツクヨミ)様、美しいから、皆さん息のんで注目ですね。
何をいっているのですか。
しかし、完全に神の雰囲気を消すことってできていないようですね。
着きました、ここです、ちらかったままだし、汚いですよ。
コロン、ミー、帰ったよ~。
えっ、どうしたの2匹共、ならんできちんとお座りして・・・
月読命(ツクヨミ)様が来られること、知っていたの?
そうですよ、この者達は、もう、分かっているのです。
翔子様の許に使わされたことも、使命も。
そうなの? 
えっ、2匹共頷いて、私の言葉も分かるの?
そうなんだ。

さて、早速にかかりましょう。
目を閉じて、頭を下げる2匹。
その頭の上で、祝詞を唱えながら月読命(ツクヨミ)の両手がゆっくり動く。
その時、両の掌から、まるで流星群のような小さな光の玉が無数に2匹に降り注ぐ。
光の玉が2匹を包みこんだ時、一瞬星の爆発のような閃光が走った。
思わず目を閉じた翔子が、ゆっくり目を開け見た物は・・・
2人の、若い女性が微笑みながら立っている姿。
笑顔で、コロンがママって小さな声。
続いてミーもママ・・・。
翔子と2人の従者、役者が揃った。
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