平均女子だって恋をする
登校

「おはよーアリサっ!」

朝練後だというのに、元気で清々しい顔の佐恵に、昨日の肉体的にも精神的にも疲労感たっぷりの出来事を話そうとしたその時、

「はよー、神崎さん。オレの席どこ?」


振り返ると『コレナガ』がいた。


昨日と変わらずヤンキーな出で立ちだが、免疫がついたからか制服を着ているからなのか、不思議と昨日ほどの恐怖感はない。

「おはよー、是永くん。席は窓側の1番後ろだよ」

「おー、りょーかい」


一瞬、教室内がシーンと静まり返り、今はザワザワと不快な囁き声で溢れている。

「ちょ、ちょっとアリサ!アレ誰?
アリサにヤンキーの知り合いなんていたっけ!?」


さすがに佐恵も気になるようで、小声で問いかけてきた。


「クラスメイトの是永優也くんだよ」

数人に同じ事を聞かれそうだと思ったわたしは、周りに聞こえるよう大きめの声で佐恵に言った。


横目でちらっと是永くんを見ると、何も気にしてない様子でボーッと外を眺めていた。

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