☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-

非戦闘員


なぁ、体はどうなの?

上々とはいいがたいけどさ、別に普通だから。

そんなこと言って死期早まったらどうする…!!

それはそれでいいだろ。

良くないって…だって…っ

はいはい、お兄ちゃんはうれしいよ。

…何で黙ってるんだよワド!!

おい、八つ当たりするなよワインレッドに。

だって、だって…

あんま良くないのは神様のせいだろ?

そんなの、大っ嫌い…

進行は極めて速い。お前だってわかってるだろ?

知ってる!知ってるけど!!

ならしゃーないだろ?無駄な延命措置でワドの手煩わせたらダメだろ?

うるさいっ!!

おい、キング言い過ぎだ…

ははっ、保護者がいるから安心だな。俺も。

保護者じゃない。

分かってるって。でも、よろしくな?

…そんなこと、俺に頼むな。

どうせ死ぬんだぜ?

おい…

キングの馬鹿っ!!!


駆け出したあいつをだれも止めようとはしない。

ワドは唇をかんでキングを見据えていた。

「あんな言い方はないんじゃないのか」

「あのくらい言っとかねぇと。大っ嫌いくらいだったら俺も気が楽なんだけどさ」

「余生を楽しめ」

「皮肉か。どうやって楽しめっていうんだ?」

「色々あるだろう」

「ないな。生まれてこの方、妹以外に興味というものを抱いたことがないかーら」

「…ある意味変質者だからな、今の発言」

「手厳しぃねぇ」

おどけて微笑むキングを、表情のほとんどない顔でワドは見ていた。

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