時代を越えて、恋人になっちゃいました。




注文を済ませたころ、ようやく私の顔の熱も引いた。


「そう言えばさ、総司たちってどうなったの? 」

「何? 今更? 」

「っ、忘れてたの! 悪かったね! 」

「別にいいけど」


_カランッ。

ソウが水の入ったグラスを傾ける。


「とっくに術かけてたよ、実は」

「嘘っ! 」

「ほんと。知らなかったの? 」

「あったりまえじゃん! 」

「あ、じゃあこれ渡してない? 総司たちの方の石」



ソウが制服のポケットをガサガサ漁って、青い石を取り出した。


「これ、何? 」

「何って、魂縛りの石だけど」

「そりゃ知ってる。石の種類の話」

「ああ。これは瑠璃っていう石なんだって。総司が用意してくれた」

「瑠璃って…高いよね? 」

「まぁね。でもどうやら知り合いに宝石商がいて、安く譲ってもらえたって言ってた」

「そうなんだ。あれは? 蘭丸たちのは? 」

「あの2人のは翡翠って石。緑色だろ? 」

「あぁ、そう言えば」


私は紐でキーホルダーのようにして短刀に付けている、石を思い出した。

確かに緑色だわ。


「翡翠は高くないの? 」

「それなりにな。ただあれは信長がくれた」

「そ、そうなんだ…」



なんか、ソウってすごい。

いや、知ってたけどね?




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