六十年後のラブレター

「おばあちゃん!これなにー?」

夏休みを利用して、東京から岡山にある祖母の家を訪ねてきた有香は、布団を出そうと押し入れを開けるなり叫んだ。

見るとその手には桐の箱を持っている。

今年で八十歳になる優子は、その桐箱を切なそうに見つめた―――…。
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