〈BL〉間違いから始まる恋〈短編〉
間違いから始まる恋♥
『雄介先輩、オレと付き合ってください』

オレは今、学園内でも有名な
加増先輩の片割れに告白していた。

「プッ、ごめんね、ボクは侑都の方だよ」

ぇ!? ぅゎぁ~

侑都先輩に失礼なことを……

「ご、ごめんなさい‼」

恥ずかしい//////

オレのバカバカ。

「大丈夫だよ、慣れてるから」

顔を上げると侑都先輩は
怒ってなかった。

「名前訊いてなかったね」

テンパり過ぎて、名乗ってなかった……

『二年A組の赤坂充緋です』

やはり、間違えてしまった
後ろめたさは拭えずに
声が段々小さくなる。

「充緋ね、覚えたよ」

侑都先輩はオレに近付いて
不敵な笑みをすると
こう囁いた。

「折角だからボクと付き合おうよ」

ぇ!? 雄介先輩と間違えた
オレと付き合おうって……

『本当にいいんですか……?』

「ボクじゃ駄目?」

逆に訊かれて慌てた。

『いえ、雄介先輩と間違えたのに
本当にいいのかと思いまして』

双子でそっくりな二人。

見分けるコツがイマイチわからない。

「いいんだよ。
だって、ボクが充緋を
好きになったんだから」

それはどういう意味だ?

「会って数分だけど、こんな気持ちに
なったのは初めてだから……
雄介と間違えられるのは確かに
慣れてるんだけど、充緋には
感じるものがあったんだ」

そっか、そっくりな二人は
見た目だけじゃ分からないもんなぁ。

『オレでよければ宜しくお願いします』

そこまで言われて断る理由はない。

「じゃぁ、宜しく」

こうして間違い告白から恋人ができた。
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