冷たい君と青春中。



「やっ、やめてください…っ!」


ひとりで、電車をまっていると声がきこえた。男の人の弱々しい声で、助けを求めているような、許しを乞うような、そんな声。



「なんだろう?」


そう思って、声の発信源を探した。


「やめて…下さい…っ、お願いです…。」

その声の持ち主は駅のホームの奥にある自動販売機が並ぶところで、ふるえていたんだ。

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