Fighting fantasia
となると、エフェスが探しているのは、ジュデッカを直接倒した戦士…。

「マーズ、お前だ」

ウラヌスに言われ、マーズの表情が強張る。

「この惑星付近にまで来ているという事は、奴は俺達の存在をある程度嗅ぎ付けているのかもしれん。見つかればそれで最期だ。エフェスからは逃げられん」

あのプライドの高いウラヌスが、まるで抗戦の構えを見せようとはしない。

エフェスという存在は、それほどまでに絶望的なまでの力の持ち主なのだ。

「…健二さんと兄さんは、逃げて下さい」

マーズが踵を返す。

その背中が。

「!!!!」

黄金色のオーラに包まれた。

バーナーの炎のような激しいオーラ。

それだけではない。

マーズの長い黒髪は金色に変色し、更に刺々しく逆立つ。

健二は初めて目の当たりにする。

これが神化。

幾多の戦闘を経た者だけが至る境地。

生き延びよう、強くあろうとする者だけが手を伸ばせる境地。

生命体の究極の形態だった。

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