美しいだけの恋じゃない
「多分ね」

「じゃあ、まぁ、仕方ないか」


とりあえず納得はできたようで、その話はそう締め括ると、佐藤さんは今度は私に視線を合わせつつ言葉を繋いだ。


「だけど、さっきの須藤さんの啖呵には痺れたわぁ~」

「え…?」

「キリッとしてて威風堂々としてて。普段の須藤さんも充分魅力的だけど、美人に凛々しさが加わるともう最強ですよね」

「確かに。すっごく迫力があった」


容姿に関わる話題は相変わらず私にとっては処理が難しく、思わずフリーズしている間にお二人は話を進めた。


「それだけ怒りが積もり積もっていたからだろうけど。ホント須藤さん、今まで耐えに耐えて来たもんね」

「あんなのでも先輩は先輩ですから。しかも世間のイメージ通りの、テンプレート的な『性悪お局』だし。新入社員の立場としては、やっぱ色々と遠慮しちゃうよね」

「……はい」


そこでようやく言葉を発する事ができた。


「でも、これからはもうちょっと、頑張ってみる事にします」

「ん?」

「投げつけられた意見に対して『それは違う』と思ったのなら、きちんとはね除けなくてはいけないなと、強く、実感しました。何でもかんでも受け入れていたのでは、巡りめぐって周りにいらっしゃる方にご迷惑をおかけしてしまう事になりますし」

「ふんふん」

「なるほど」
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