美しいだけの恋じゃない
「あ。でも、それはお二人が味方でいて下さるという事が分かっているからです。一人ではやっぱり怖じ気づいてしまいます」


私は慌てて補足する。


「それに、そもそも私の考えの方が間違っているかもしれませんし。ですので、どうかこれからも私を見守り、正しい方向に導いていただきたく思います」

「うん、分かった」

「どれだけ力になれるかは分からないけど、助け船なら何隻だって出しちゃうからね!」


田中さんに続いて、冗談めかしてそう返答した後、更に佐藤さんは言葉を繋いだ。


「私はともかく、田中さんが後ろ楯になってくれてるって思うだけですごく心強いよね。ホント田中さんと一緒に仕事してると、どんどん鋼のメンタルになって行くもん」

「ん?それ、どういう意味かな?」

「あ、もちろん褒め言葉ですからね!」


お二人のやり取りに思わずクスッと笑いを漏らしてしまった。


これで良いんだよね…。


自分で自分に意思確認する。


正しいと思う事を貫き通して行けば。


それでますます相手に嫌われて、好き勝手言われたとしても、自分にやましい事がないなら堂々としていれば良いんだ。


今までもそういう考えの元生きては来たけれど、基本逃げの姿勢で、相手をなるべく刺激しないようにするのが大前提だった。


反論するでもなく、抗議するでもなく、ただ嵐が過ぎるのを静かに待っているだけだった。
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