美しいだけの恋じゃない
本当は帰り道、月経不順の理由を明らかにすべく、妊娠検査薬と呼ばれる代物を手に入れようと考えていたのだけれど、心身共に疲労困憊で、家にたどり着くだけで精一杯だった。


そして一夜明けた今現在もほとんど回復していない。


これはかなりよろしくない状態だと自分でも思う。


しかしだからといって、何をどうすれば良いのか打開策など全く思い浮かばず。


私は気だるい体に鞭打ってベッドから抜け出すと、朝の身支度を開始した。


もちろん会社に行く為ではあるけれど、最大の目的はそれじゃない。


今日こそ、あれを購入して来なければ……。


一日でも早く結果を知るに越した事はないのだから。


自分自身を奮い立たせながら何とか出社し、お茶当番の任務をこなしてから営業一課のデスクに腰掛ける。


ほどなくして朝のミーティングが始まった。


門倉保は午前中神奈川営業所に出張で、しかも直行で向かったのでその姿はない。


昼食はあちらで取る予定だし、移動時間も含めて帰社するのは14時過ぎになる筈。


つまりそれまでは顔を合わせずに済むという事だ。


同じ内勤の師岡さんからはどうしても逃れられないけれど…。


しかし、うっかり目にしてしまった彼女の表情は、入社して初めて見るのではなかろうかというくらい晴れ晴れとしていて、すこぶる機嫌が良さそうであった。
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