美しいだけの恋じゃない
「ちなみに私、ここに来る前に、念のためそこを辿ってみましたけど、何も落ちていませんでした」


金子さんが憮然とした表情で言葉を挟む。


「まったく、何で私がそんな事をやってあげなくちゃいけないんだか。余計な仕事を増やさないで欲しいわよね」

「……だったら須藤さんのミスじゃないじゃないですか」


佐藤さんがボソッと反論する。


「そんなの分からないでしょ?この子が在庫確認にかこつけてどこかにサボりに行って、その先で伝票を落としたのかもしれないし。それが人目につかない場所だったりしたら誰も伝票を届けに来ないのも納得できるもの」

「ちょ、いくら何でもそりゃ強引じゃないですか?勝手にストーリーを作り上げるのはやめましょうよ」

「ちょっとごめん。素朴な疑問なんだけどさ」


何やらバトルが始まりそうな雰囲気の二人を制するように、井上主任が言葉を発した。


「自分も飲んでるくせに全然把握していないんだけど、そのお茶の補充っていうのは毎週必ずやらないといけないものなの?」

「……そうですね。当番は、とりあえず一週間持たせるのを前提に必要数を算出してますから。種類によっては余る物もあるかもしれないけど、丸々一週間補充しないっていうのは、ちょっと厳しいと思います」

「あ。特に今週は、色々な種類が残り少なくなっていて…」


佐藤さんの説明の後に私も補足した。
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