美しいだけの恋じゃない
『びっくりしつつ、どういう事なのか詳しく話を聞き出してみて、更に度肝を抜かれたんですって。それで国仲さんはすぐさま『美智瑠ちゃんはそんな子じゃない』って抗議してくれたらしいんだけど』


肝心要な部分はカットされていたけれど、学生時代、周りにどう思われていたかは私自身は百も承知で、また、『そんな子』という代名詞が使われている事から、一部の保護者の間にどのような噂が広まっていたかは容易に想像がついた。


だからわざわざそこを掘り下げる必要はないと判断する。


『そして『よそのお嬢さんをそんな風に言うなんて、同じ娘を持つ親としてどうなの?』って諭したら、慌てて話題を変えたらしいの。反省したというよりも、国仲さんは職場ではベテランもベテランだし、彼女に歯向かうのは得策じゃないと瞬時に判断したんじゃないのかしらって。そしてそれ以降は当たり障りのない会話しか交わさないようになって、もうその話が出る事はなかったみたいだけど』


お母さんはそこでふ~、と深いため息をつき、一拍置いてから続けた。


『それで国仲さんは、あなたの心中を察してとても胸が痛んだみたい。高校を卒業してからもう何年も経っているっていうのに、未だにそんな言われ方をされているという事は、きっと当時はとてつもなく悲しい、屈辱的な思いをしたに違いないって』


【美智瑠ちゃんおはよー!】
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