美しいだけの恋じゃない
『今度こそ、お母さん達が、全力で美智瑠のことを守ってあげるからね』

「……うん」

『だからこれからは決して一人で悩まないで。無理に頑張ったりしないで』

「うん」

『子供が心身共に健康に、穏やかに暮らせている事が、親にとっての最大級の幸せなんだから』

「うん、うん…」


お母さんからは見えはしないのに、私は何度もコクコクと頷いた。


それに合わせて、やはり再度溢れ出した涙が、頬を伝い、ポタポタと落下する。


「ありがとう…」


でも、ごめんね。


やっぱり私はこれからも本当の事は言えない。


言える訳がない。


だけど、どんな事があっても、お母さん達が味方でいてくれるって、分かっただけで私はもう…。


『…もしかして泣いてるの?美智瑠』


こんなに声が震えてしまっていてはバレバレだろうなとは思ったけれど、案の定そう問い掛けられた。


「だって、何だか、感動しちゃって…」

『理由付けなんかしなくても良いのよ』


お母さんは優しく囁いた。


『泣きたいんだったら、何も考えずに、思いきり泣いちゃいなさい』


その声も震えていた。


『お母さん、いつまででも付き合うから』


そこで涙腺の堰が決壊した。


もう、限界だった。


誰かが入って来るかもしれなかったけれど、そんな事はどうでも良かった。
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