幽霊電車
乗客が、1人もいない。
…そうか、皆、慶みたいな考えをしてるから、気が付いてないんだ。
どうしようかな…。
折角だし、乗ってみようかな。
面白そうだし、なんだか興味深いしそれに、誰も乗ってないってのが、いかにもミステリアスだ。
帰りは、始発ので帰れば良いし。
よし、乗ろうっと。
あたしは、電車の入り口に足を踏み入れた途端、『ドアが閉まります…』とアナウンスが聞こえ、ドアが閉まった。
見慣れた景色がどんどん通り過ぎて行き、次の駅に着き、ドアが開いた。
ここでも、乗る人はいないのかな。
そう思った途端、隣の車両に誰かが乗ったような気がした。
誰か乗って来たんだ!
慶みたいな人たちだけじゃなかった。