キミの首輪に、赤い糸を。
3

「一緒にいて」

その日から、真白はどこか塞ぎ込んでいるように見えた。


「真白、何かあったの?」


そう聞いても、「なんでもないよ」と笑いかけてくるだけで、何も話してくれない。

如月さんは少しすっきりしたように見えたけど、真白はどうしたんだろう。

まるで、如月さんの苦しみを引き受けてしまったようだ。


「ねぇ、真白。曲聴かせて?」


真白はギターが好きだから、ギターを弾けば少しは元気になってくれるかと思ってそう言った。


「...うん。待っててね」


そう言って真白はギターを取ってきて、構えた。

そして、軽く弾いたかと思えば、「ごめん、なんか今は上手く弾けないや」と早々に片付けてしまった。
< 117 / 231 >

この作品をシェア

pagetop