キミの首輪に、赤い糸を。
「ここが新しい家だ」


そして連れてこられたのは、一つの家。

その家に入ると、僕より年上のお兄さんがいた。

お母さんに言われて自己紹介をしたけど、そのお兄さんは何も言ってくれないまま、奥に行ってしまった。


「...はぁ、相変わらず愛想のないヤツだ。悪いな、真白くん。アイツが君のお兄ちゃんだ」


新しいお父さんにそう言われ、僕は首を横にふる。

相手は悪いことをしてないんだから、相手が謝ったら否定しなさいってお母さんが言ってた。
悪いのはいつも真白なのよって。

僕が悪い子だから、お兄ちゃんは答えてくれなかったのかな。

そう考えていると、「お兄ちゃんのところに行ってなさい」とお母さんに言われた。

僕はお母さんの言葉通り、お兄ちゃんが歩いていった方に向かった。
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