キミの首輪に、赤い糸を。
次の日、真白は「早く早く!」と陵さんの手を引いて公園に来ていた。


「わっ、待てよ真白!」


手を引かれていくがままの陵さんの表情も、どこか楽しそう。


「あ、いたいた!」


真白の目線の先には、裕太くんがいた。


「裕太くん!」

「ん?あ、シロにぃ!それに和ねぇも!」

「うん、久し振りだね、裕太くん」


相変わらず、太陽に負けないキラキラした笑顔。


「えっと、シロにぃの隣のお兄さん、前に会った気がする」

「うん、前僕と一緒にいたでしょ?この人、僕のお兄ちゃんなんだ」


「ね?」と真白は陵さんの方を見て言い、陵さんも頷いた。


「如月陵。真白の兄なんだ。よろしく」


陵さんの表情は優しくて、裕太くんも警戒心を抱いていないようだ。


「俺は裕太!よろしくね、陵にぃ!」


無邪気な笑顔に、陵さんも笑顔で「おう」と返事をしていた。


「久々に会ったんだし、一緒に遊ぼうぜ、シロにぃ!」

「うん!」


裕太くんに手を引かれて、真白は走っていく。


「...真白にも、良い友達が出来ていたんですね」


隣で陵さんが真白と裕太くんを見て微笑む。


「はい。二人とも、すごく良い友達だと思います」


私もそれに頷く。


「和ねぇ!陵にぃ!二人も早く!」

「待てよ、今行く!」

「わかった!すぐ行くね!」


私と陵さんは、お互いに顔を見合わせて笑った。
そして、二人の元へ走っていった。


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