キミの首輪に、赤い糸を。
「ははっ、可愛いね!真白くん?よろしくねー」


雛ちゃんが真白に近づこうとするけど、真白はビクビクしたまま後退りをする。


「あれ、嫌われちゃった?」


雛ちゃんが困ったようにそう言って、慌ててしまう。


「ううん!真白はちょっと怖がりで恥ずかしがりやなんだよね」

「ふーん...あたし、紺野雛美です!和咲ちゃんとは友達なんだ!」


雛ちゃんが真白に自己紹介をする。
真白はそれの真意を確かめるためか、私の目を遠慮がちに見た。


「うん。雛ちゃんとはいい友達なの。明るくて面白い、いい人だよ」


私がそう言って頷くと、真白はゆっくりと私の服の裾から手を離し、私の横にやってきた。


「え、っと...真白、です。よろしくお願いします」


声は小さいけど、少しは警戒心が解けたみたいで、真白は雛ちゃんと目を合わせた。


「あたしのことは雛ちゃんでいいから!よろしくー!」


雛ちゃんはそれに喜んでくれて、真白と握手を交わした。
< 52 / 231 >

この作品をシェア

pagetop