キミの首輪に、赤い糸を。
「せっかく来たんだし、二人とも何か食べなよ!あたしが奢ってあげるー」


その言葉に乗せられて、私と真白はイスに座った。


「はいっ、おまちどーさま!和咲ちゃんが好きなリゾット!」


雛ちゃんが自信に満ちたような表情で持ってきたのは、私のお気に入りであるリゾット。
ここのリゾット、すごく美味しいんだよね...。


「わぁ、美味しそう...」


真白の小さな呟きも雛ちゃんは聞き逃さず、「美味しそう、じゃなくて美味しいんだよー」と笑っていた。


「いただきます」

「いただきます...」


二人で並んで昼食。


「おいしー...」


真白がリゾットを見つめて言うと、「でしょー?」と雛ちゃんは得意げに言った。


「んー...でも」

「でも?」

「和咲か作ったご飯の方が、好き...かな」


真白の言葉に、雛ちゃんは驚いた後に笑った。


「はははっ、真白くんは和咲ちゃんのこと本当に好きなんだねー。ほらほらっ、和咲ちゃん、どーする~?」

「えっ、ちょっと雛ちゃん、からかわないでよ...」


真白の方を見ると、真っ直ぐな瞳で見つめてくる。

全く、真白は恋愛感情とか知らないからからかわれるとか分からないんだろうな。

かといって私が恋愛のことについて知ってる訳じゃない。
なんせ、経験値0だし。
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