キミの首輪に、赤い糸を。
「..ははっ、良かったな、真白」


無邪気に私に抱きつく真白と、その真白に驚いている私を見て、如月さんは笑った。


「うん!よかったぁ...ありがと、和咲」


さっきと別人みたい。
だけど、なんだかさっきより自然な感じ。


「すみません、和咲さん。お騒がせして」

「いえ、私こそ」

「ほんとほんと、びっくりしたよ。シロにぃって甘えん坊なんだなー!」


...あ。
忘れてた。


「う、うわぁぁっ」


真白も裕太くんの存在を忘れていたらしく、真っ赤な顔で私から跳ね退いた。


「わぁぁぁ...恥ずかし...」


真白は顔を真っ赤にして私の後ろに隠れた。


「さっきとは全然違うヤツみたい!」

「忘れて...裕太くん...」


項垂れる真白を見て、如月さんも私も笑った。

よかった。
真白がいなくならなくて。
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