キミの首輪に、赤い糸を。
「それに、あのまま如月に連れていかれちゃったらコイツともお別れになっちゃうところだったしー」


そう言って真白はギターを抱き締めた。


「いや、多分如月さん取りに来るでしょ」

「いーや。少しでも離れると嫌なの」


本当、大好きなんだね、ギター。

真白はそのままギターを構え、弾き始めた。

弾けるような笑顔、跳ねるような音の一つ一つ。

音という点を、真白が繋げて線にして、その線で絵を描いていくような、そんな光景が思い浮かんだ。

ギターが、音楽が好きだってことが、伝わってくる。

真白が奏でる音に、私も動き出しそうになる。


「っあー!やっぱ楽しい!和咲といるとね、音がたくさん浮かんでくるんだ。だからね、和咲もこの曲を作ってる人の一人なんだよ、きっと!」


音という点を、私が生み出してる?

なんか、それってすごい気がする。


「和咲といると、作曲活動も再開できそう!」


あれ、そういえば真白って、なんで作曲活動を休止してるんだろう。

ふと、そんな疑問が浮かんだ。
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