キミの首輪に、赤い糸を。
如月さん...?
なんでここで如月さんの名前が出てくるんだろう。


「僕が、怖いだけなの。僕が見たくなくて、僕が、逃げようとしただけ、なんだ」


真白は必死に言い訳をするように言葉を並べる。

でもそれは、文章としては意味を為していなかった。


「真白、もう少し、分かりやすく...」


私の言葉に、真白はハッと我に返った。

そして、今にも泣き出しそうな顔で私を見た。


「ごめん、なさい」

「真白...?」

「僕は、きさらぎに、壊れてほしくないから...」
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