ねがい
〜柚乃〜

「ハーァ、」

眠いな

「柚乃が寝不足なんて珍しい」

「いや、嫌な夢見ただけだよ」

懐かしい夢

あの日一人になった時の夢

もう見ないと思ってたのにな

「あの子いた」

前から来たのが紅の人たちだった
名前は忘れて思い出せませんがね


「お前がなぜいるんだ?まだいじめいるようだが」

「あのキモいのでさっさとどっか行ってくだい」

うん、亜里香ちゃんそれもろおとこは近寄るなと言ってるよ


可愛い顔して怖いな

「お前名前は?」

「花蓮よ」

「君は?」

「亜里香」

「花蓮と亜里香だね覚えた」


ふたりをおいで行こう

ここにいたら吐きそうだ


「柚乃置いていかないで」

「おいで、亜里香は甘えん坊だな」

「柚乃だけにだもん」

「亜里香ずるい、柚乃置いて私にも」

「はいはい、よしよし」

「愛してる」

花蓮はいつもなぜかそれを言う


私も愛してるよだって花蓮は柚乃の友達だから

亜里香はいろいろあってこんなにも甘えん坊になったけど思い出だよ


「ふたりとも、こっちに来るなら君達にはなにもしないよ」

「なにが?」

「そいつは、裏切り者だだから俺たちといたら何もされないそんな奴と友達もしなくていいんだ、どうせ脅されてやってるんだろう?」

「本当に最低だね」

脅し?


それなら、あんたらの姫は脅されてあんたらといるのに?


可哀想に

姫の顔は残酷って顔してるよ


「あんた達は知らないんだよ、柚乃はね、脅せるような奴じゃないよ、どんなに自分が傷ついてもひとを信じるんだよ、それに私が柚乃といたいの、柚乃は私を認めてくれたから、初めてをくれたから」

「亜里香、いいよ、ありがとうね」

亜里香は変わった

あの時寂しかって欲しいものをどうしたらもらえるかを知らないあの時じゃない


自分が欲しいと言えるようになったね

「柚乃が裏切り者なら、この世界滅びてるよな」

花蓮それは言い過ぎ

「柚乃が居なかったら私人殺してたりね」

「お話はもういい?」

「うん」

「おい、それでいいのか?」

「私たちは、柚乃がいるから学校に来れるの柚乃が居なかったらここには来てない」


「そっか」


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