<BL>   お前は俺のものだ。
あれから、数日がたった。

何もせず、ただ、外を見ていた。

最近、ほとんど寝れていない。

寝ても、起きる、寝て、起きるの
繰返し。

眠りが浅く、起きている時間は長い。


暇、退屈過ぎる。

 
航大が居たときは、いつも側にいて、
直ぐに、キスやハグをしてくる。

口では、くっつくなと言っておきながら、
まんざらでもない、自分がいた。


でも、もう、会えないかもしれない。

忘れるべきなのだろうか。



「悠真様」



聞き覚えのある声が聞こえた。


聞こえた方を向くと航大が居た。


幻覚かと思った、でも、それでも良いから抱き締めたい。



「悠真様」
 


抱き締めてくれた。



「悠真様、悠真様、悠真様」



あっ、航大だ。

航大の声、匂い、温もり。

航大、航大、こう、た……。



「悠真様」





俺は、航大に会って安心したのか、寝てしまった。

夕方に寝たはずなのに、起きたときには、朝を迎えていた。


俺の手には、航大の手が握られていた。

夢じゃなかった。

航大がいるんだ。


ドアが開く音がした。



「悠真、起きてたの」



凛兄!



「ごめんな、仕事抜け出せなくて、
その後、入院したって聞いて、

航大君、昨日見つけた。
もう、大丈夫だからな」



どういうことだろう。



「航大君は、俺が雇ったから
もう、悠真の側から居なくならない。

もう、大丈夫だよ」



何でか、分からなかったが涙が出てきた。



「えっ、悠真、何で泣いてるの?」



涙しか出なかった。


航大の手を離したから、航大が起きて
しまった。



「悠真様、何で泣いておられるのですか」


「それが、分からなくて、航大君は悠真の側から居なくならないよって、言ったんどけど」



涙が溢れてきた。

安心したのかもしれない。

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