黒猫の気ままに
………………



いくらか前の時間ー。


僕はもがいていた。



「み゙ゃッ」


手をおもいっきり引いた時、布だったらしい袋に引っ掛かっていた爪が、少し欠けた。



やっとの思いで出た外は、袋の中とあまり変わらず暗く、息絶え絶えでした呼吸は家とはまったく、違うものだった。




「ここどこだろ…。」




足元は草、木が見える。



いつかお母さんが話してくれた、森という場所だろうか。



視界は狭く、沢山の木は確認出来ないけど、多分、そうだ。



「庭とは全然違うなぁ…」



自分の知らない世界は沢山あるんだなぁと実感した。




そうだ、


僕は帰らないと。


戦わないと。




どんなに嫌われても、お母さんだけは違ったはず。



僕はお母さんのところに帰らないと。




"帰る場所”へ


帰らないと…。





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