黒猫の気ままに
…あれから何時間が経った頃だろう。



部屋の中は落ち着きを取り戻していた。



さっきの白い猫のお腹の周りには、数匹の白、茶の猫が小さく丸まっている。


目はまだ開かないか、閉じていて、愛らしいことこの上ない。




その中には一匹、黒猫がぽつんと混じっていた。



最後に取り上げられた猫。



生まれた瞬間には、驚かれたのも納得がいく。


この子達の父、母ともに黒い血筋なんかなかったと思うところに黒猫が一匹だけ生まれたのだから。



隣の部屋からは、少し開いた扉の隙間から声が聞こえる。



男と女が話しているのが分かった。





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