鬼社長のお気に入り!?
『その三十分間、お前がなんとかしろ。できないのなら、お前に任せる仕事はもうない』


 え……? なんとかしろと言われてもどうすれば――。


 でも、ここは私がなんとかしなきゃ……挽回するためにもね――!


「わかりました。私に考えがあります。任せてください」


『……今度失敗したら、後がないと思えよ?』


 まるでミッション失敗したスパイとそのボスの会話みたいだ。


 電話を切ったその時、二人組の女子大生の会話にドキリとなる。


「ねぇねぇ、今日の講演会ってあの八神デザイナーなんでしょ? 期待しちゃうなぁ~。あの人業界では超有名だし」


「だよねー! どうやったらあんなデザインができるのか不思議だよ~早く行って前の席確保しよっ! 八神さんしかもイケメンだから別の意味で楽しみ~」


 この学生さんたちの期待を裏切るわけにはいかない。汚名返上するためにもなんとしてでもこのトラブルを切り抜けなければ……。


 よし! くよくよしない! 気持ちを切り替えよう――!


 私はそう意気込んで購買部へ急いだ。
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