鬼社長のお気に入り!?
「女扱い……とか、なんかそういうのよくわかりません」


「だったら俺が教えてやってもいい」


 心臓がバクバクいって息をするのも苦しい。だんだんと頭の中がぼーっとしてきた時だった。


「冗談だ、お前はベッドで寝ろ、命令だ」


 そう言って八神さんが身体を起こすと、私を覆っていた熱がすっと冷めていった。


 八神さんに触れられただけで、どうしてこんなに熱いの――。


 まっすぐ見つめる八神さんの視線に、私は胸の奥に小さな火種を感じずにはいられなかった。
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