鬼社長のお気に入り!?
「あぁ、八神くんのところの秘書っていうのは君かな? いや~彼、今忙しいみたいだからね、また後日連絡すると後藤が言っていたと伝えてくれないか?」


「あ、はい。恐れ入ります、必ず伝えさせていただきます」


 ホールに入るなり八神さんの知り合いの人が声をかけてきたはいいが、なぜか“八神さんの秘書”という肩書きになっていた。


 なんで私も一緒に八神さんと来なきゃならないのよぉ~完全にまた雑用係だよね――。


 昨日の夜、いきなり八神さんに「どうせ暇なんだろ、お前も来い」と言われ、なにも予定がなかったのは確かだったし、迂闊にも行くと返事をしてしまった。おかげで朝から八神さんのスケジュールに合わせて行動し、手のあかない八神さんの代理でセレモニーに出席していた他社の相手をしたりと、なぜ私が……と思いながら忙しなくしていた。
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