鬼社長のお気に入り!?
 え……? ええっ!? あの八神さんが……笑ってる――!?


 いままでに見たこともないような優しい表情を浮かべた八神さんがいる。


「あぁ、俺も結婚式は楽しみにしてる。俺に恥かかせるなよ? それで、今夜は何時にこっちに来るんだ? あぁ、わかった。悪い、ちょっと長話もしてられないんだ。また後でかけ直すから」


 そう言って八神さんは電話を切った。


「いつまでそうやってるつもりなんだ」


「っ!?」


 ば、バレてたか……。


 私は逃げも隠れもせず腹をくくって八神さんの前に姿を現すと、バツが悪くて目を泳がせた。けれど、八神さんはそんな私のことはどうでもいいような素振りで一瞥すると、自販機で飲み物を買っていた。
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