鬼社長のお気に入り!?
「この商品が販売されたら購入してみますよ」


「え!? ホントですか!?」


「あはは、嘘は言いません。私はただ、いいものにしか興味がないだけですから」


 英国紳士のような口調と仕草に、私の頭もついぼーっとなりがちになってしまう。


「あぁ、しまった。ちょっと時間がないもので……最後にあのステージの方にも話を伺ってみます。製作者のようですし、貴重な話しをありがとうございました」


「いえ……こちらこそお時間頂きありがとうございました」


 素敵な人だったな……。あっ! 名刺渡すのももらうのも忘れちゃった。も~なにやってんだろ私――。


 気づいた時には、そのジェントルマンさんはすでに人ごみの中へ消えてしまっていた。
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