未来の1/fragment





夏海が教室を出た後、丸林もリュックを肩に背負い、教室を出ようとした。


その前に一度堀澤の前で立ち止まり、じっと無言で目を合わせ、何も告げずに教室を出た。



* * *



夏海、真弥、さやかの3人は、肩を組み、仲良く下校している時だった。


突然、キーンと耳鳴りが鳴る夏海は、耳を抑えながら周りの音に同調し始めた。


辺りは下校途中の何気ない風景が広がる中、ふと後ろを振り返り、校舎の1番上の屋上を見上げた。


誰かが、屋上にいたような…いや、そんなことがあるはずがない。


だっていつも屋上に繋がる扉には、鍵が掛かっているのだから。


誰かに危機が迫っている予兆なのか、それともそうでは無いのか。





< 205 / 403 >

この作品をシェア

pagetop