ホクロ
「正直に言うと…」


彼は一瞬言い淀む。



「ボクはあなたをまだ帰したくない」


いつもと違う熱を帯びた彼の眼差しに、私の胸がきゅうっと締め付けられる。


「私も、帰りたくありません」


「もう少し、ドライブでもしましょうか」





 真夏のある日の午後2時半。


照りつく太陽が、私の胸を熱く焦がす。



End


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