追憶の彼方に

✩✩誰も知らない


次の日の朝、私は、課長に
自分の過去の話をした。
昨日、彼の両親にあって、
彼が結婚していた事を
知った事も話した。

課長は、黙って、最後まで話を聞いてくれた。

「逢澤さんは、まだ、彼が好きなんだな。
でも、結婚したんだろ。
もう、忘れろよ。
俺なら、逢澤さん‥‥一華を幸せに
できる、嫌、幸せにしたい。
だから、俺にしろ。」
と、言った。

一華は、
「まだ、気持ちが整理できていません。
中途半端な気持ちで、
お付き合いすることは出来ません。」
と、謝った。

「わかった。
もう少し待つ。
だが、一華、なんかあったら、
俺を頼れ。」
と、言ってくれた。

強引だけど、優しい人だと
わかっている
この人を好きになれたら、
幸せになるだろう、
と‥‥思うが‥‥

なぜ、私はいつまでも
波瑠から、離れられないんだろう。
波瑠は、結婚して
子供までいて
幸せに暮らしているのに。


私は、課長に送ってもらい、
自分のマンションへ帰った。

帰ってから、シャワーを浴びて

学生時代の友人の咲希に電話して、
波留の話をした。

咲希もびっくりしていた。
誰も、波瑠の事知らないなんて
波瑠は‥‥いったい·····

それから、優里に電話したら、
優里が、
「直ぐに行く」
と、言って、駆け付けてくれて
二人で、家のみをした。

私が泣くと、優里も泣いて
「明日、会社で不細工過ぎる
    受付と言われるよ」
と、言いながら、笑った。

優里は、
「一華、結城課長と付き合って
少し前に進んでみたら。」
と、言ってくれた。
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