追憶の彼方に

✩✩紗良サイド


紗良‥‥

波瑠とは相変わらず会話もない
食事も一緒に食べた事もない

でも、朝帰りすることは、
今まで、一度もなかったのに

朝、帰ってきて
スーツを変えて、
直ぐに出て行った。

一言も会話もなく、
目を合わせる事もないが
波瑠が、私の横を通ったとき
ほのかに、よい香りがした。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥女?まさか。

この日から、
波瑠は、いっそう
家にいることは、なくなった。

私は、波瑠を交信所で調べてみた。

直ぐに、結果がきて
何も、問題はなく
ただ、大手の不動産会社に
仕事で頻繁に出入しているだけだった。

私は、何年も性生活もなく
そんな自分が情けなくなり
大学時代に遊んでいた
勝(まさる)と、
週に三回から四回は合っていた。

陽向は、
お母さん達が見てくれるし
波瑠は、家に殆どいないから、
家で合ったりしていた
そんな私が、波瑠だけを
責められる訳ではないが。


私は、その不動産会社が気になり
外をうろついていたら
二人の綺麗な女性が出てきて

一人は、波瑠の携帯で見たことある
‥‥‥‥‥‥‥波瑠の元彼女だ。


あまりにも、綺麗だったから、
覚えてる。
間違いない。


私は、イライラとしながら、
その二人を見つめていた。
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