特ダネには真実を
「ついて来られるのが嫌なら、知ってること全部吐け。そしたら、止めてやる。」


「何ですか、その上から目線は。吐けとか私、犯人じゃないんですけどー」



譲らない両者に、巻き込まれたくない社会部の面々は、成り行きを見守るしかない。



「南能、戻ってたか。」


「あ、先輩。」



薇晋と睨み合っているところに、秀滝が現れた。



「あれから記事書かなかったんですね。取材の申し込みされるかと思って、待ってたんですけど。」



ふざけるように言って笑う潮にも、秀滝は反応しない。



「先輩?」


「俺達が…、俺達が信じられないか?俺はそんなに信用ないか?」


「…な、何言ってるんですか?先輩を信用してるに決まってるじゃないですかー。電話だって」



「電話はいまだに分からないが、俺が話を聞きたいと言って、今の南能が素直に話すとは思えないんだが。」



「……………。」



図星のようで、潮は目線を反らし黙ってしまう。



「言ってることが本当か嘘かぐらい分かる。南能が何か隠してることもな。書く気はないし、無理矢理聞く気もないが、隠されるのは良い気分じゃない。信頼されてないようでな。」
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