ふちどられたミライの中で【ケータイ小説向上の会企画作品】
「わぁっ、本当ですか?良かった・・・。」


彼女は、ほっと胸を撫で下ろす動作をする。俺は少し、不思議に思った。

俺が首をあからさまにかしげたせいなのか、彼女は気が付いたようだ。



「あっ、変ですよね。あんな発言しておいて・・・。本当はちょっと不安だったんですよ。」



そう言って苦笑いを浮かべる。会ってから間もないのに、くるくると表情が変わる。

それには、会話も一応は関係している気がするのだが・・・、それだけでは無い彼女の性格のような気がした。



俺は・・・・今どんなカオをしてるんだろう?



流石にそんな事聞けるはず無いけれど。


「そうだ、自己紹介がまだでしたね!私は宮坂瀬羅(みやさか せら)って言います。よろしくお願いしますね。」



「俺は日比谷蓮(ひびや れん)だ。よろしくな。」



そう言い終えた頃、俺はやっと風景の変化に気が付いた。辺りは、ぼんやりとオレンジ色に染まり、空は真っ赤。


雲が所々、ゆっくりと流れている。



「もう、夕方だな。傷は・・・大丈夫なのか?」



「はい、ぶつかって怪我しただけですから。血もとっくに止まってるし・・。」



そりゃあそうか。未だに血が出てるような怪我なんじゃ彼女はこうして笑っていられる筈が無い。



「じゃあ、俺は帰るよ。早く帰らないと家族が帰ってきちまう。そうなる前に俺は自分の部屋に戻りたいんだ。」


俺は元来た路地に体を回転させた。


「分かりました。また明日、来て下さいね!待ってますから。」


「分かったよ。」
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