横顔だけじゃ、足りなくて



いつの間にか那雲が彗くんを嫌う事が無くなりつつある。


理由はわからないけど、やっぱり嬉しい♪




『真彩ちゃん、今日予定ある?』




とのお昼休みの問いかけに、ないと答えて放課後の今、図書室で彗くんを待っています。


図書室へ入って左奥の黒いソファに座り、近くにあった写真集をパラパラめくる…


目立たない場所にある写真集のコーナーには、写真に加え詩が入ってあったり、景色だけだったりとかする。


けど、それがまた良いんだ。


写真だけで伝わる感じや、詩が付いているのは、その人の気持ちがよくわかるから。


私が手に取ったのは、オーロラの写真集。


テレビでよく見るオーロラに見入ってしまう事が多い。


綺麗なエメナルドグリーンが広がった夜空…




『オーロラかぁ』




右肩に顎を乗せられ、彗くんとの距離がすっごく近い!!


どくんどくんと飛び跳ねる心臓の鼓動…




「オーロラ…綺麗だよね」


『うん、教科書とかでも見入ってしまうよ』




そうクスッと笑った彗くん。


オーロラ…見たいなぁ。


いつか彗くんと二人で…


なーんて、考えてしまう…


でも、叶えたい!





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