横顔だけじゃ、足りなくて
その間お昼休みには那雲を連れて、先輩たちの教室へ行ってお弁当を食べる。
もちろん、果歩先輩は教室にはいない。
『はぁ…』
『剛先輩、グダグダッスね』
元気がない新間先輩に那雲が後ろから覆い被さった。
すかさず先輩は『重い』と言ってすぐに那雲をどかした。
私たちは新間先輩を元気付ける役割を
千加は一人、果歩先輩の話を聞きその内容を私たちに話す役割。
が、なかなかうまくいかない…
『分かれるんすか?』
『…それはないとは言いきれない』
『ちょっと剛、踏ん張れよ!』
那雲と彗くんが先輩を元気付ける。
このまま分かれてしまうなんて嫌だ。
でも、残念な事に喧嘩別れはよく耳にしてしまう。
喧嘩するほど仲がいい
なんて言葉は少し違う。
付き合っていても、相手に恋している事に変わりはない。
好きだから、不安になることもある。
そんな言葉を聞いたことがあった。
好きだから…か。
私にはまだわからないけど…