横顔だけじゃ、足りなくて



その間お昼休みには那雲を連れて、先輩たちの教室へ行ってお弁当を食べる。


もちろん、果歩先輩は教室にはいない。




『はぁ…』


『剛先輩、グダグダッスね』




元気がない新間先輩に那雲が後ろから覆い被さった。


すかさず先輩は『重い』と言ってすぐに那雲をどかした。


私たちは新間先輩を元気付ける役割を


千加は一人、果歩先輩の話を聞きその内容を私たちに話す役割。


が、なかなかうまくいかない…




『分かれるんすか?』


『…それはないとは言いきれない』


『ちょっと剛、踏ん張れよ!』




那雲と彗くんが先輩を元気付ける。


このまま分かれてしまうなんて嫌だ。


でも、残念な事に喧嘩別れはよく耳にしてしまう。


喧嘩するほど仲がいい

なんて言葉は少し違う。


付き合っていても、相手に恋している事に変わりはない。


好きだから、不安になることもある。

そんな言葉を聞いたことがあった。


好きだから…か。


私にはまだわからないけど…




< 143 / 287 >

この作品をシェア

pagetop