横顔だけじゃ、足りなくて

⇒気付かなかった思い




土日をはさみ、今日は朝すぐに彗くんにマフラーを返しに行った。


風邪を引いていない様で安心した。


教室に帰ると、さっそく千加が私の肩に腕を回してきた。


見られてたみたい…




「なになに、マフラー借りたの!?」


「私がマフラー忘れちゃっててね」


「柊良さん優しいもんねー♪」




ニコニコスマイルの千加は、自分の席で何やら書いているイッチーを後ろから抱きついた。


その勢いが強すぎて、イッチーは体制を崩し、消しゴムで字を消している。


なんて大胆な!?




『千加』


「ごめんごめん…」




低いイッチーの声で、怒ってると察した千加。


でも決して離れようとしない。


イッチーを後ろから抱きしめたまま。




『あっ、真彩ちゃんおはよ』


「おはよー、イッチー朝から大変だね」


『まぁね?』




でも笑ってる。




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