横顔だけじゃ、足りなくて
・*episode 3.

⇒瞳…



7月に入り、あれから柊良先輩と放課後に会う事がなかった。


図書室と校舎裏、両方へ行っても見かけなくなった。


バイトかなぁ…

そう思いつつ、放課後に立ち寄る事をやめている。



「最近、元気なくない?」




千加はお弁当の中の卵焼きを、つまらなさそうに箸でつつく。




「そうかなぁー?」


「そうかなぁー?じゃないよ!
食べたら行くよ!」


「行くって…」


「決まってるじゃん!
先輩の教室」




食べるスピードを上げ、次々におかずを口に入れる千加。


それにつられ、食べ始めたお弁当を急いで口に入れる。


先輩の教室…


果歩先輩たちが和奏さんとの関係がより一層悪化してそうで、なかなか行く気にならない。


気になるのは確か。


優柔不断な自分が嫌になる。


でも…


このまま先輩に会えないのはもっと嫌だ!




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