横顔だけじゃ、足りなくて

⇒お願い事…




『真彩、今度は最近ニヤけすぎ』


「ニヤけてない!
たぶん…」




お昼休み、千加はイッチーと食べるから最近は那雲と二人で食べている。


大きな口で焼きそばパンを頬張る那雲はじっと私を見た。


柊良先輩が学校に来てくれるのが嬉しくて…


でも、ニヤけてなんて…

もしかして自分が気づいていないだけ!?




『なぁー、明日商店街の七夕祭り行かね?』


「行く!学校終わりすぐね!」


『すぐって…じゃぁそれで』




商店街の祭りとは、小さい子もたくさん来る地元のお祭り


商店街通路に何本も笹があって、子供から大人までもが短冊に願い事を書くの♪


いつも那雲は部活で行けないから、中学の頃は帰り道一人で書いて帰った。




「でも…部活は?」


『明日は早く終わる。
気がするんだよ』




目を逸らしと黙り込んだ那雲…


部活で何かあったのかな?


最近はあまり部活の事は話してくれないし、悩み事なんて一切聞かない。




< 80 / 287 >

この作品をシェア

pagetop