Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
毎回、相手の機嫌を損ねないようにやんわりと断りを入れるのだっ。


由羅が菊葉城にくる目的は、ただ一つ…。

菊葉城の内部を調べ、豊川家の行動を把握することだ。



「椿、今日の舞もすばらしかった。今日はもう帰ってもよいぞ」

「かしこまりました、義秀様」


由羅は義秀と幸秀に頭を下げると、その場を立った。


「椿!」


すると、立ち去ろうとする由羅を義秀が呼び止めた。
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