Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
戦の書…。


由羅は目を閉じて、頭の中を巡らせる。


由羅の頭の中には、由羅自身が描いた菊葉城の見取り図が把握されていた。


舞を披露するために、ただ城に通っていたわけではない。

城へ入るたびに、見張りの数、兵の手薄な場所、死角となる位置を観察していた。


そして、戦の書の在り処…。

その場所とは…。


「おそらく…最も可能性が高いのは、義秀の寝室でございましょう」
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